2005年04月25日

衝動的眩暈

眩暈がする。
目の前には曇硝子のスクリーン。
遠い。
周囲がはっきりとしない。
何とか意識を保とうと、耳元でなる音楽のボリュームを上げる。
駄目だ。
駄目だ。こんな音じゃない。これじゃ意識は遠のいていくばかりだ。
くそ。
暑くないのに、嫌な汗が流れている。
寒くないのに、震えが止まらない。
急ぐ人が、俺を押しのけていく。ふらつく。
くそ。
激しく鼓動しているのに、頭がぼおっとしている。血が、足りていない。
激しくあえごうとも、酸素が肺に入っていかない。
くそ。
また、押しのけられた。
死ね。
ふらつきながらも、階段を上がる。
殺してやる。
一段一段が、越えられない壁に感じる。
壁は、果てることなく、続いている。
生きるな。
くそ。くそ。死ね。殺してやる。
曖昧なまま、歩く。殺せ。
席についても、まだ動機は収まらず、震えも止まらないし、背中は汗で湿っている。
殺してやる。
隣の人間がむかつく。殺せ。
精神が高揚し、暗い淵に沈んでいく。
殺してやる。
意識が遠のき、感覚が鋭敏になる。
殴れ、絞めろ、刺せ、撃て。
安らかに覚醒し、激しく眠る。
殺してやる殺してやる殺してやる。
いつか……今すぐ……殺してやる。
死ね。
カプセルを飲む。ナイフを突き刺す。舌を噛む。
これくらいすれば、死ぬだろう。殺せるだろう。
死んでしまえ……死んでしまえ……
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posted by 言人 at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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