2010年07月24日

夏の暑さと猫の哲学戦争

「こんなに暑いと、猫だってだれちゃうわね」
「いやいや、猫だからだれてるんじゃね? だって、あいつらいつだってだれてるよ?」
「わかってないわね。猫はいつでもだれてるように見えるけど、あれは頭の中でいくつもの哲学世界をシミュレートして、この世界を滅亡の危機から救ってるのよ」
「おいおい、たかだか猫だろ? 奴らがそんなに高等な存在なのかよ?」
「もう、ほんとなんだからね!」

 東京が観測史上類を見ない猛暑に襲われた夏の日。
 猫による思索防御壁が無効化された第三次元世界は、第七都市世界からの思念波攻撃により滅亡した。後に、猛暑も彼ら、第七都市世界の攻撃であったことが明らかになるが、第三次元世界が再び繁栄を取り戻すには、犬と猫による独立共闘戦線の蜂起を待つしかなかった。
posted by 言人 at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛とか明日とかそういうもの

「愛してる?」
 こんな言葉に意味なんてないことはわかってるはずなのに、それでも訊かずにはいられない。だって、わたしはあなたの愛を求めてるし、あなたが見せてくれる明日に希望を持ってるし、あなたと一緒に未来に待つ何かを探し求めていたいと思ってるんだから。
 でも、あなたの答えは、いっつも冷たい。
「うん、愛してる」
 その言葉の向こうには、わたしが求める明日も、希望も見えない。
 ねぇ、わたしを愛してるの?
 本当に愛してるの?
 愛しているなら、もっと、抱きしめて。
 もっと、ささやいて。
 ねぇ、見せてよ。
 もっと、あなたを。
 あなたが拓く明日を!
 そう思いながらも、わたしは今日も彼に問いかける。
「ねぇ、わたしのこと愛してる?」
 画面の中で微笑む彼に向かって。
posted by 言人 at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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